ロバの耳☆

たまに書きたいことをだらだらと書く。

2016年度コンテンツベスト10 俺調べ

とにざぶろうです。

三連休が終わりそうなので、コンテンツの方のベスト10やります。

※解説を入れておくと、小説・映画・漫画・アニメなんかを全部ごっちゃにした呼称として『コンテンツ』という言葉を使ってます。

今年の音楽ベスト10はこちら

去年のコンテンツベスト10はこちらです。

 

いつも通り前置き。

このランキングは私の主観によるもので、かつ、広範囲をカバーできているとは到底言えません。

客観性はゼロですので、その旨、ご了承ください。

ではいきます。

 

10.トラフィック・キングダム(小説)

 みんな大好き、石川博品です。

『先生とそのおフトン』『トラフィック・キングダム』の2編を収録した短編集。

同人誌版ではこれに加えてFallout4の二次創作『がんばれドッグミート』が収録されています。私はこちらを読みました。

車に支配された世界を舞台に、苦しむ少女の青春を描くSF『トラフィック・キングダム』も良かったんですけど、自分は『先生とそのお布団』にやられました。

売れないラノベ作家が喋る猫に励まされながらもなんとか小説を書いてゆく話。

売れないながらも書きたいもののある中年男子は、売れ線を狙うことと自分の書きたいものを書くことに悩んだり、若き秀才との差に劣等感を覚えたり、果たして自分に文章を書く意味があるのかと悩みます。

一度でも本気で創作と向き合った経験のある読者なら、間違いなく刺さるはず。傑作です。

 

9.ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない(アニメ)

 やっぱ4部だわ(宗教戦争の合図)。

ジョジョは4部が一番好きなんです。やりたい放題やっていて、一話一話のアイデアに富んでいるから。ハーベストとかジャンケン小僧とか最高だよね……。

で、それがそっくりそのままのクオリティでアニメ化されたらそりゃあ喜んで観る。毎週毎週、酒を飲みながらぎゃはぎゃは観ていました。どんだけ続けられても飽きないなあ。終わってしまうのが名残惜しい。

 

8.推しが武道館行ってくれたら死ぬ(漫画)

売れない地下アイドルのそのまた最底辺アイドル・舞菜と、彼女唯一のファン・えりぴよによる百合漫画、らしい。らしいというのは、あの、百合漫画というにはあまりにもギャグに寄りすぎているからです。二人の接点は握手をする五秒間だけです。

主人公はえりぴよさんの方。彼女を中心にして、推しに人生を捧げた狂人達の姿が描かれます。ドルオタの凄みを感じます。えりぴよさんは推しに貢ぐために万年赤ジャージですし、さらに臓器を売ろうとします。「人間の体の中でどの臓器が一番必要ないと思う? わたし的には肺とか2つあるから……」

舞菜→えりぴよは割と恋愛寄りな好意なのですが、えりぴよ→舞菜はファンとしてのそれ。ガチ恋ではない。そこに百合らしい一欠片の切なさがあります。

二巻では別のカップリングも登場したので、シリアス度が若干上がりました。

去年(ダンジョン飯)と比較して飛び抜けた漫画のない2016年ですが、今年の漫画をどれか一つ勧めろと言われたら、自分はこれを推します。

 

7.シン・ゴジラ(映画)

シン・ゴジラ Blu-ray特別版3枚組
 

説明の必要はない気もしますが、シン・ゴジラです。

ぶっちゃけるとゴジラをきちんと観たことがなかったのですが、庵野監督に釣られて観てきました。むっちゃ面白かった。

本作の見所は、研ぎ澄まされたリアリティと、それに基づいて生まれる、日本という組織の熱意でしょうか。『巨神兵東京に現わる』にも似た、中盤の絶望的な壊滅からの、終盤の怒濤の攻撃には、どうしても胸が熱くなります。ずるい。

 

6.フリースタイルダンジョン(TV番組)

フリースタイルダンジョン ORIGINAL SOUND TRACK

フリースタイルダンジョン ORIGINAL SOUND TRACK

 

 HIPHOPをよく知らない方に向けて解説します。

まず、フリースタイルについて。この番組において、フリースタイルとは一種のスポーツと呼んで差し支えないでしょう。ビート――音楽に乗せて、即興でラップをして、両者が罵り合うのです。

評価の観点としては、どれだけ韻が踏めているか、ビートに乗れているか、そしてどれだけ相手の言葉へのアンサーを返せているか。これらの観点を元に判定し、より勝っていると思われる方を勝者とします。

で、フリースタイルダンジョンというのは、モンスターと呼ばれる凄腕のラッパーを八人集めて、これらを全て勝ち抜けば賞金100万円が得られる、という番組。モンスターは般若やらR指定やら漢やらDOTAMAやら。オーガナイザーはZEEBRAです。

字幕が出るので、目で見てわかりやすいフリースタイル。毎回出演者の背景を語ることによって、バトルで扱われる言葉の裏も理解しやすくなっています。

今年は本当に、フリースタイルダンジョンのおかげでHIPHOPが流行しています。以前の流行とは違い、HIPHOPが正しい捉えられ方をしています。そりゃあPUNPEEやSTUTSも『夜を使いはたして』作ります。嬉しいです。

まぁ、流行はHIPHOPの中でもフリースタイルによっていて、音源ももっと聴かれて欲しいと思いはしますが、それはまあ。

で、そんなわけでHIPHOPに興味のない人にも大流行のフリースタイルダンジョン。元々好きだった私には激ヒットです。当たり前。

今年は毎週、これとジョジョを楽しみに生きていた感があります。本当にありがとうございます。

 

5.この世界の片隅に(映画)

この世界の片隅に 劇場アニメ公式ガイドブック

この世界の片隅に 劇場アニメ公式ガイドブック

 

第二次世界大戦下の日本を生きる、すずさんの生活を描いた物語。

ものすごく面白いし、感動するのですが、皆さん言われている通り、この凄みはどうにも言葉にしづらい。

俗に言う、反戦映画ではないのです。あくまですずさんの生活を描いているだけ。ただし、観客が没入できるほどのとてつもないリアリティをもって。

しかしそれによって、我々の世界と彼女の生きた世界、が同じ日本であり、地続きになっていることを肌で感じます。

すずさんは強い生命力で、生き生きと日々を送っているのですが、段々と戦争が日常を侵食し始めます。

貧乏は機転で切り抜けられますが、人の生き死にだけは、どうにもできません。強い力に抵抗はできません。我々の生きる世界との違いがそこにあります。

彼女の生活に入り込んでいた我々は、その違いに気付いて、けれどなお懸命に生活を送る彼女らの姿に感動するのです。

 

4.スピリットサークル(漫画)

今年の漫画かと言われると微妙な部分はありますが、今年完結したので入れておきます。とはいえ、ちょっと自重気味の順位に。

ド傑作です。生涯通して、私の好きな漫画ベスト5に間違いなく入ります。

輪廻転生の話です。前世からの因縁があるという女の子が因縁をつけてきます。

普通はそこでヤンデレ女子との学園ラブコメへと突入するかと思うのですが、本作は違います。スピリットサークルというアイテムによって、主人公は自らの前世を辿ってゆくのです。

辿る前世の数は一つではありません。どの世界でも、主人公は自らの人生を生きています。どれも愉快な人生ではありません。師に死なれ、友人に死なれ、家族に死なれ、最後は自分が死んでゆきます。

別れは積み重なってゆきますが、同時に他者との関係も積み重なってゆきます。前世の記憶はないので、本人達はそのことに気付きません。けれど、その全てを追う主人公の視点では積み重なってゆくのです。そして、事実、積み重なっています。

しかしそれでも前世は前世に過ぎず、別の人間であることに変わりはなく。

はい。ネタバレが過ぎるので、ちょっとこの辺で止めておきますが、とにかくクソ面白いですし、ぼろぼろ泣きます。読みましょう。

 

3.りゅうおうのおしごと(小説)

りゅうおうのおしごと!4 (GA文庫)

りゅうおうのおしごと!4 (GA文庫)

 

去年の漫画界でいうところのダンジョン飯です。ラノベ界では正当に評価されないだろうなあ、と思っていたらきちんとこのラノ一位取っていて安心しました。Reゼロかと思っていた。

りゅうおうというのは、将棋の方の竜王です。将棋ラノベ。しかも超真っ当な。現代の武士が槍を駒に持ち替えて、盤上で殺し合います。容赦をすればこちらが殺される。どうしても勝たねばならない。次はない。熱いです。

1,2巻はそこそこの面白さ。3巻、そして4巻と、うなぎ登りでどんどん面白くなってゆきます。そもそも一冊の密度が濃すぎる。4巻とか、一般的なラノベなら三分冊にしててもおかしくない密度です。それでいてリズムを失わず、抜きを入れて、熱さも十分すぎる程ぶち込んで。

やばいです。尋常でない面白さ。普段はラノベを読まないという方も、これは読んで損ないと思います。

 

2.ガールズ&パンツァー オリジナルドラマCD5 新しい友達ができました!(ドラマCD)

今年のガルパン公式配給源どれだっけと考えた結果、これが見つかりました。

自分が今年何にハマっていたかと言えば、徹頭徹尾ガルパンにハマってました。劇場版初回視聴時はまさかこんなことになるなんて夢にも思ってなかったのに……。どういうことだよ、去年の劇場版の順位10位とかになってますけど。

1月に「劇場版面白かったしもう一回観ておこうかなー」と観に行ってから、「お、まだまだいけるぞ?」と止まらなくなり、気付いたら、関連商品を買い漁っていました。手始めにテレビシリーズのBD、ドラマCD、スピンオフ漫画、などなど(リトルアーミー傑作です)。大洗あんこう祭り楽しかったなー!!

戦車にもある程度好きではあるのですが、私はどちらかといえばキャラクターにハマりました。だからスマホアプリにも手を出します。手に負えないのは、誰か一人好きなわけではなく、みんな大好きってところ。強いて言えば今は、アンツィオ組かミカか麻子……? いや、みんな個性があって、意思が強くて、それぞれにドラマがあるんですよね。やー、楽しい。あーガルパン観たくなってきた。

ドラマCDの話をします。ドラマCDはですね、本編で「ん? こいつちょっと頭おかしいんじゃないか?」と思っていたキャラクターが、ガチで狂っていたことを確認する物語です。特にダージリンとミカとノンナ。ドラマCDのダージリンとペコの関係はホントに良いですよね。ペコ切れてるし。ペコが割とマジでダージリンの性格を疎ましく思っているのが伝わってきて良いです。

ドラマCDはこの5枚目が一番クオリティが高かったです。ダージリンがローズヒップで遊ぶ話、ノンナとクラーラが手を結ぶ話、アキとミッコがミカのクズっぷりに切れる話、知波単が旧日本軍の如き生活を送る話、みほがボコになってボコボコにされる話、大学選抜が酔いつぶれる話の6本です。あー何回でも聴ける。

なんかまとまる気がしないのでこの辺りで締めます。

 

1.聲の形(映画)

一度観て衝撃を受けて、すぐさま再び予約を入れて、翌日にもう一度観ました。

ヒロインは障害持ちで、他人の声が曖昧にしか聞こえず、それゆえ喋ることも難しい。

しかし、この話のテーマは障害ではありません。二人の恋愛でもありません。

障害はディスコミュニケーションの道具に過ぎません。そしてそこから、いじめが起こり、発展し、さらに罪悪感や憎しみへと繋がるのです。

主人公が覚えるのは、罪の意識。聲の形は、その罪の意識と向き合うための物語です。

明確な善人はいない。けれども、明確な悪人もいない。キャラクターそれぞれがそれぞれの立場で悩み苦しみ争うのです。その様子がやりきれず、私は中盤からずっとぼろぼろ泣いていました。鑑賞中、あちこちからすすり泣きが聞こえてくる、この異様さ。

漫画も面白かったのですが、映画はその数倍以上、原作の面白さを研ぎ澄ませています。

原作のエピソードを削りに削ってコアを残し、削りすぎた部分は新たにシーンや会話を足すことによって、感情描写を補填する。ひたすらに原作と向き合いシナリオを練り続けたのがよくわかります。

早くBDが発売されてほしいものです。一月辺り、公開中にもう一度観ておこうか……。

 

次点は下記の通りです。

・砕け散るところを見せてあげる(小説)

ズートピア(映画)

・ドルメンX(漫画)

・メイドインアビス(漫画)

アイアムアヒーロー(映画)

左門くんはサモナー(漫画)

・ななしのアステリズム(漫画)

・星野、目をつぶって。(漫画)

・シャーロック・ノートⅡ(小説)

 

はい、というわけで以上です。

今年も楽しませていただきました。

来年も良いコンテンツに巡り会えますよう。

※私の好きそうなものをみなさん勧めていただけますと幸いです。

 

では、また。来年。良いお年を。